『ダン←ダム』

ダムをマネジメントしながら、街を守るという異色のシミュレーションRPG。なかなかの意欲作でした。

ダムの周囲にしがみつくようにして栄えている小さな街に、ある日突然地下から無数の魔物が押し寄せる。主人公は街の顔役の息子として、周囲の仲間と共に、魔物の撃退に四苦八苦する。というのがこの作品の基本的なストーリーとなります。

柔らかめの絵柄に対して、実際のゲーム内容は、ストーリー面でもシステム面でも結構辛口。ストーリー面では様々な軋轢が生々しく書かれており、人種間での対立もかなり深刻。(人の良い人物が、人種の壁についてはまるで違う顔を見せる描写がある)また、無能な群衆とそれに流されるばかりの町長、様々な偏見から追い詰められていく主人公の家族、さらには魔物の正体とダムの存在の真相など、最後までシビアな展開が続くため、飽きずに楽しむことが出来ます。また、草食系男子の主人公ではあるのですが、指揮能力は高く、イベントシーンでは存在感をきちんと見せており、なかなかの奴です。彼と家族との絆は、複雑な事情が分かってくる中盤から終盤にかけて、ぐっと話を盛り上げてくれるのです。

システム面では、基本的に戦略級の指示をしていくことになります。中盤まで物資が余ることは基本的になく、足りない物資を四苦八苦しながら回していくことになります。戦闘は基本的に大雑把な指示しか出すことが出来ず、配置箇所によって行動が異なる味方を的確に配置しながら、状況に合わせて大雑把な指示をしていくことになりますが、特に中盤以降はちょっとでも目を離すとあっという間に全滅という事態になりかねないので、気が抜けません。大味な戦闘バランスが、それに拍車を掛けています。後、武器によってグラフィックが変わる辺り、小技が効いています。DSの容量ではなかなかです。